第11章:血を受け継ぎし者たち

コラームスを始めとしたオグマ軍を壊滅させてから、16年という月日が流れて
いた。とは言っても、惑星パジェットの地上世界には、まだ数万人のアンドロイ
ド兵が残されていたので、その16年の月日の間に、時折、地底世界を脅かしに
アンドロイド兵や魔法兵器の脅威がやってきていたのだが、コラームスを倒した
魔術軍隊にとって、そんな軍事力は何の問題にもならなかったし、いつでもたや
すく壊滅させる事ができた。
16年という月日が経って、新しい若者たちの時代がやってきた。一人は、ゲダ
ロフとソンロンの子供、カンダロフ。ノーヴァとレイラの子供、アストロ。この
二人を中心にして、40人の優秀な魔法使い達が魔法使い養成所から育っていっ
た。しかし、彼らはみな16年前、魔大戦という大変な事態があった事を誰も伝
説としか受け止めてなかった。魔大戦で戦死した19人の魔法使い達の死も、惑
星パジェットの破壊活動も。
一方、法王ワトソン城では、ワトソンの786歳の誕生日パーティーが開かれて
いた。パーティに招かれたのは魔大戦で生き残った21人の魔法使い達だ。

「お父さん、僕もパーティに行きたい」

カンダロフが父、ゲダロフにそう言う。一方、ノーヴァ家でも、アストロが、パ
ーティーに行きたいとねだる。両方の父親とも、パーティーに行く事を許してく
れた。

「お前は、俺の優秀な血を受け継いだ子供だ。ワトソン様に会う資格がある」

少年の頃は、生意気で傲慢だったゲダロフがこんなセリフを言うなんて当時の彼
からはとても想像できなかったセリフだ。
ワトソンのパーティーが始まった。地球のアメリカのハロウィン祭みたいな仮装
パーティに毛が生えたようなパーティーが行われた。何が違うのかと言えば、ペ
ット、モンスターをパーティーに呼ぶ事だ。

「皆の者、今日はよく来てくれた。地底世界ウェグナーの平和と私がこれまで生
きてこれた事を今日はみんなで祝おう!」

「ワー!!」

歓声があがった。その時であった。魔法使い達のペットであるモンスター達がパ
ーティーに参加していたワトソン達を襲い始めた。

「馬鹿な。キグダム・パストの魔法で彼らは大人しいはず」

修行を積んでいたゲダロフが一番この事態を不思議に思っていた。
ゲダロフ達を始めとする23人の魔法使い達は、モンスター達を鎮圧した。
魔法が入り乱れたせいで、パーティーはめちゃくちゃとなった。すると、ワトソ
ン城のパーティー会場内に不気味な影が現れた。

「我は、魔王オグマの思念、オグマコマンドだ。余は、科学者達により、間もな
く地底世界に抵抗できる肉体を得た。もうじき、この世界は、この魔王オグマの
手に落ちる」

「やはり、地上世界を奪還しない限り、平和は訪れないという事か・・・」

こうして、地底世界ウェグナーにまた新たな恐怖が訪れた・・・

続く


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