第15章:新たなる旅立ち

62名の魔術軍隊が地上へ赴こうとすると、地底世界にドスーンと衝撃が走った。
体長10メートルある巨体の影が地底世界に現れた。胴には、大蛇を巻き、4本
の腕がビーム砲やシザースとなっているその影の正体は、何と魔王オグマだった。
顔は、いかにも醜悪なオーク系の顔に口の中にもう一つ得体の知れない顔が見え
る。奴は、完璧な生物兵器だった。
ゲダロフ、ソンロン、アストロ、ハーシー、レイラ、マローニ、ベスター、ノーヴァ、スナヴキン、ビロの11人は、その巨大な生物にうろたえた。

「これが魔王オグマか。体長は、コラームスの時より2倍あるぞ!!」

ゲダロフがみんなにそう説明した。

「ひるまないわよ!!」

ソンロンがそんな事を言っている間に、魔王オグマの攻撃が始まった。魔王オグ
マは、一言も喋らなかった。奴がもはや完全な兵器と化してるだろうか?いや、
それもおかしい。奴がもし、喋れないとすると、地上世界に指令を出しているの
は?
魔王オグマの素早いビーム砲2連発は、62名の魔術軍隊をなぞるように、弧を
描いて、襲う。こちらも、瞬時にバリアを張ったが、予想以上のビーム砲の攻撃
に体力が持たなそうだ。ゲダロフは、アストロに、

「おい、若いの!何か秘訣はないのか?」

「モンスター、サウルスゾンビを出します。こいつは、地底世界最強のアンデッ
ト・モンスターです」

「おい、それを出すなら、こいつがいいぞ。こいつこそ、地底世界最強のアレフ!
!」

その声の主は、回復魔法『ダ・ラマ』が使えるスナヴキンだった。200匹のモ
ンスターが現れて、全員の盾となった。サウルスゾンビは、恐竜のアンデットモ
ンスター、アレフは、長い髪をしていて、地底世界最強の武器、ハンニバル、防
具、アレフクロスをまとった女性型モンスターだ。その姿は、女神にも見える。
その時、ワトソン城で開かれたパーティーにも現れたオグマコマンドが、魔王オ
グマの背後に現れた。

「我は、オグマ様の思念、オグマコマンド。オグマ様の本当の頭脳なり。オグマ
様に直接指令を与えているのは、我なり」

サウルスゾンビのボディ分解アタックが無数の矢のように、オグマの前に散らば
った。100匹の無数の骨がオグマに突き刺さる。アレフ100匹も武器、ハン
ニバルから聖なる光の閃光を放つ。

「グワォオー!!」

オグマが雄叫びを上げる。どうやら、モンスターの攻撃は通じてるらしい。

「やったー!!次は、魔法で戦うぞ。モアムルテ!!」

アストロの気術魔法が連弾となり、炸裂する。

「無駄。無駄。無駄、無駄、無駄ーっ!!」

オグマコマンドがそう言うと、魔法は全てオグマに吸収された。

「フフ。今日のところは、ひとまず、これまでにしとおこう。これは、挨拶代わ
りなり。スペリオールΩ」

その瞬間、今までのモンスターの攻撃と魔法が全て返ってきただけでなく、その
攻撃が前よりも3倍増加して返ってきた。
平均年齢30歳の魔術軍隊にこれにたちうちできるバリアはなかった。回復魔法
ダ・ラマで一命は、とりとめたものの、先頭に立っていたゲダロフは、深い傷を
負っていた。スペリオールΩで、サウルスゾンビの無数の骨が突き刺さっていた。
「俺もとうとう老いぼれか・・・」

「ちきしょーっ!!これじゃ、修行をしているカンダロフに何て言やいいんだー
っ!!」

魔王オグマが去った地底世界ウェグナーに虚しい叫び声がこだました。
その頃、カンダロフは、ゾン・クラピカの修行中だった。惑星を創り出すために
天体をイメージトレーニングしていた彼は、一時、修行を中断した。

「何か。嫌な予感がする。悪い、胸さわぎだ」

付き添いのワトソンは、

「誰が死んでも構わない。何が起きても、関与しない。そういう心が、ゾン・ク
ラピカを使いこなす秘訣じゃ」

「はい」

「魔王オグマがやってきても、関与しない。その心が修行に一番大事なのじゃか
ら。怒りは、悪を生み出せん」

ゾン・クラピカの修行は、まだまだ続く。最愛の父、ゲダロフが死に至る寸前な
のに・・・

続く


100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!