第18章:機械人間

ハイロンは、ワトソン城まで無事、たどり着いた。そして、大臣に一部始終を話
した。

「何!すると、ゲダロフは、冥界にいるのか!?」

「はい。ゲダロフさんは、機械人間となって、蘇ると・・・」

「そうか。ごくろうであった。今から61名の魔術軍隊を整備する。ハイロンも
加わって、62名だ」

こうして、62名の魔術軍隊の整備が行われた。
大臣から、

「今から、みんなには、冥界に行ってもらう」

「は?」

ハイロンが首をかしげた。

「冥界には、幽体しか行けないはずですが・・・」

「私の魔法、ヴァグジャーでみんなには、幽体になってもらう」

その頃、ゲダロフは、冥界を突き進んでいた。
そこには、死んだはずのモンスターのごく一部が集団となっていた。

「どういう事だ。モンスターの中にも幽体で冥界に存在できるのがいるのか!?」
モンスターは、アレフなどの最強モンスターだ。

「困ったな。ソンロンに全ての魔法を託したし・・・」

「舞空術からやり直すか・・・」

ゲダロフは、そのモンスターの集団から遠く離れて、舞空術の練習を行った。最
初は、おぼつかなかった。これがあの生きていた俺だと思うと、虚しくなる。ゲ
ダロフが、練習を始めてから、およそ3時間。その頃には、パラケルの魔法の勘
も取り戻していた。パラケルを発動させるには、魔法陣の準備と、パラスタッフ
と空気の実が必要だったが、ゲダロフには関係なかった。
そして、幽体と化した62名の魔術軍隊が冥界に到着し、ゲダロフと接触した。

「一体、どうやって?」

「大臣様にヴァグジャーの魔法で幽体にさせてもらったのよ。でも、1時間しか
持たないの・・・」

「ソンロン・・・」

懐かしき妻に抱き合いたいところだが、幽体だから、無理だった。

「ここのモンスターは、幽体でも魔法が効くのか?」

「アンデッド同士は、大丈夫です」

ハイロンがそう答えた。

「急ぐのです」

と、アストロ。
こうして、ゲダロフを含む63名の魔術軍隊は、すさまじい勢いで、攻撃魔法を
連発し、冥界を突破していった。
冥界には、アンデッドのモンスターも現世で死んだモンスター以外にもいたが、
魔術軍隊には、もはや、恐れがない。
冥界の奥深くまで突き進むと、体長5メートルに変化する前の小さなコラームス
と冥界の王『ターレス』が戦っていた。
ターレスは、

「よかろう。この余をよくここまで追いつめた。生き返るがよい」

「待て!!」

ゲダロフが二人をせき止めた。

「お前は、生き返って、機械人間になるそうだな?」

「誰かと思えば、死にぞこないの幽体君か」

コラームスは、不敵に笑った。

「俺も機械人間として蘇りたい!」

「私たちの仲間になるというのか?」

果たして、ゲダロフの真意は?

続く


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