第20章:最後の対決

ゲダロフの死体は、ワトソン城の冷凍死体保存維持装置に保管されていた。息子、
カンダロフを思って、葬式は挙げまいとしてたからだ。そのゲダロフも冥界での
みんなの協力もあってか、今、まさに生き返ろうとしている。
その時、ゲダロフの死体が急に光を帯びた。
 
「生き返ったのか!俺は、生き返ったのか!」

と固唾を飲んで、ゲダロフはこの世に蘇った。
ゲダロフは、生き返るや、すぐにワトソン城を飛び出し、地上世界へと向かって
行った。それが、無謀な事かどうかも解らずに。
それから、しばらくして、冥界から現世にテレポートした62名の魔術軍隊がワ
トソン城へ戻って来た。
大臣とワトソンは、首を長くして、待っていた。その横に立派になったカンダロ
フの姿が。
ソンロンが、

「カンダロフ、私のパワーを受け取って!」

「こ、これは、父さんの力」

そうなのだ。ソンロンは、ゲダロフが一度死ぬ前に彼の左手から、魔法のエネル
ギーをもらっていたのだ。

「それで、父さんは?父さんはどうなったの?」

「心配しなくともよい。今頃、地上世界に向かっているはず。彼は、蘇ったのだ!


大臣から、一部始終を聞いていたワトソンは、カンダロフにそう言った。

「無謀だよ。父さん。一人で行くなんて・・・」

しょぼくれたかっこをしたカンダロフに、ソンロンは、息子の頭を撫でてやった。
こうして、カンダロフを含む63名の魔術軍隊が今度は、最終決戦である地上世
界へ行く準備が整った。
ワトソンが、使いから、地上世界の最終アジトは、聞いていた。

「皆の者いいか。これから、地上世界の海底世界のオグマ基地に向かうのだ。全
員で見事、オグマを倒してくれ!」

その頃、ゲダロフは、地上世界の空中都市にいた。例の生物兵器開発研究所だ。
前に崩壊したのだが、シュワルツと名乗る科学者が、復興させたらしい。

「スカイ・コロニーまで、わざわざ、ごくろう。地底世界の者が何の用だ?」

「俺を機械人間にして欲しい」

「正気か!?」

「俺は、くだらんジョークを言うのが、嫌いだ」

「よかろう。だが、これだけは、言っとく。機械人間になれば、意志をコントロ
ール出来る確率は、80パーセント無いだろうと・・・」

「20パーセントもあるんだろ?」

しばらくして、手術は終わった。ゲダロフは、メタル金属で覆われ、尻尾の生え
た機械人間になった。

「グオオオォ!」

確かに意志は、コントロール出来なかったはずだった・・・。しかし、記憶の片
隅に愛する妻と息子の影が浮かび出すと、

「俺の名は、ゲダロフ・・・」

と正気に返った。

「これで、オグマとあの連中をこなごなにしてくれるわ!」

「まさか、君は、あのオグマを倒そうと?」

「そうだ。何か文句あるか?」

「いや、私も元々は戦争が嫌いなパジェット人。地上世界を救ってくれ!」

そうシュワルツが言うと、ゲダロフは、レーダーで、オグマのアジトの海底都市
まで、ものすごいスピードで、駆け抜けて行った。
一方、63名の魔術軍隊は、巨大都市サルクの港で、潜水艦に乗ろうとしていた。
潜水艦の中から、オグマ軍が現れた。

「皆さん。僕にまかせてください。父さんの力をここで発揮します」

「水くせーなぁー。俺もやるぜ!」

とアストロ。どのみち、今のオグマ軍は、雑魚に近い。
こうして、とうとう海底都市にやって来た。都市の様子がおかしい。
それは、ゲダロフが暴走したからだった。
数少ないパジェット人の一人が、

「あの人なら、オグマ様は、倒されるかもしれない。地上世界ばんざーい!」

と、息絶えた。ゲダロフは、意志をやはりコントロール出来なかったのか?そし
て、オグマとみんなの戦いの運命は・・・ 

続く



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