第7章:地上世界の奪還

魔術軍隊が地底世界ウェグナーを侵略してたオグマ軍を蹴散らした事は、法王ワ
トソンはもちろん、地底世界中に噂は瞬く間に広まった。魔術軍隊の規律を乱し
ていたゲダロフは、仲間であるはずのガーラの申告により、懲役1年プリズンに
投獄されるという厳しい裁きが待っていた。

「14歳の少年を投獄するのは、厳しいが、これも我が国の定め。もし、彼がオ
グマ軍を更に活気づける事になれば、それ以上の罰も与えられていただろう」

「おっしゃる通りです」

法王ワトソンは、大臣とそう話していた。

一方、プリズンに放り込まれたゲダロフは、暗闇の中で、

「ちきしょー!!何でオグマ軍を撤退させた俺様がこんな罰を受けなきゃならん
のだー!!」

と大声を上げながら、鉄棒を揺すっていた。

この国の経済は、物々交換により成り立っているが、中でも食料と商品の交換が
目立った。後は、魔法で何でも解決できる経済だった。
法王ワトソンが、食料の捕獲を大臣に命じると、ワトソンの城下町から北にある
ロゼリア湖から、雷魚が200匹捕獲出来た。その他、牧場で飼育されているユ
ニコーンやワイン工場でのワイン生産などで食料が捕獲出来た。この食料の捕獲
は、物々交換だけでなく、魔術軍隊の移動の際の食料にも使われていた。とりわ
け、無茶に侵略してきたオグマ軍は、ろくに食料もアンドロイド達に与えていな
かっただろうと。
法王ワトソンは、ゲダロフをプリズンに入れておきながら、ゲダロフに期待感を
持っていた。

(彼は、あまり反省しないだろう・・・でも、そこが良い。彼の対抗心向き出し
の性格は、1年を通して、オグマ軍に対抗すべく冷静沈着で立派な知恵を育てあ
げる結果となろう・・・)

法王ワトソンは、撤退したオグマ軍が何か策略を練っているだろうと思い、地上
世界に使いを出した。すると、未来型の都市にこれ以上もないという軍隊が整備
されているではないか!?
数万人を超えるアンドロイド兵士、新たな魔法兵器、そして、それを的確に指示
する魔王オグマ。
法王ワトソンは、もはや平和の解決には今こそ、地上世界を取り戻し、魔法と機
械・科学文明が共存し合える国がなくてはならないと考え始めた。それには、今
までにない魔術軍隊の編成が必要とされる。天才児、ゲダロフにも期待がかかる。
地上世界奪還に向けて、無益かもしれない文明改革戦争『魔大戦』が今、幕を開
けようとしている。

続く


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