第８章：魔大戦
５年という月日が流れ、５部隊の優秀な魔術軍隊が結成された。その間に、地上
世界と地底世界を行き来するオグマ軍とワトソン軍。その熾烈を極めた戦いは、
後に伝説と化す『魔大戦』となった。
プリズンに投獄されたゲダロフは、無論、釈放されていたが、今度軍の規律を乱
せば、魔法が一生使えなくなるというきつい罰が待ち受けていた。
そういえば、プリズンに１年、投獄されてゲダロフは心身共に成長したような気
がする。
ゲダロフは、プリズンにいた時、
（薄暗い暗闇の中で、俺は俺でなくなった・・・）
と、役者のような感情を抱いていた。そして、魔法が使えないプリズンの中で、
戦闘のイメージトレーニングをしていた。その結果、パラケルの魔法威力は格段
にパワーアップした。雷の属性が効かない敵に関係なく、パラケルは電磁石の竜
巻と化し、機械を破壊するのに、強力な魔法となった。
２年経った時、オグマ軍は、魔法使い養成所の側にあるアンシャンテの森にアジ
トを築き、魔法使い養成所を攻撃し始めた。あまりに突然の出来事に、学生は混
乱し、恐怖へとなっていった。ガーラやソンロン、ビロを始めとした１６人の魔
法使い達で結成された２部隊が反撃した。オグマ軍は、魔導戦艦『グラモンド』
に４００人のアンドロイド兵を乗せて、空中から攻撃を行っていた。それに対抗
すべく、ワトソンはワイバーンとアーリマン合わせて１００匹を魔術軍隊に編成
させていた。そして、１６人の魔法使い達は全員、グレネードランチャーという
強力な銃を装備していた。激しい空中戦となった。グラモンドの魔法レーザー、
ワイバーンのアタック、アーリマンの暗闇攻撃、１６人の魔法使い達のグレネー
ドランチャーが空中と地面を行き交う。その結果、生真面目な性格のガーラが戦
死し、４００人のアンドロイド兵も死んだ。明るい性格だったソンロンは、静か
な怒りでプリザモンドを唱えた。銀の鏡から七色の閃光が。
グラモンドは七色の虹の光で全て溶けていった。
一方、地上世界へ赴いたゲダロフを含む２４人の魔法使い達とレッド・ドラゴン、
首のないモンスター、グラディエーター、ジャンボスコーピオン合わせて３００
匹で結成された魔術軍隊３部隊がオグマ軍を襲った。１万人のアンドロイド兵が
操る魔導アーマーが反撃した。気力がたまった２４人の魔法使い達の魔法が１万
人のアンドロイド兵を襲う。ゲダロフのパラケルを筆頭に地震、雷、酸性雨、ダ
イヤモンドダストとモンスター達の炎や毒攻撃、剣が舞い、アンドロイド兵の魔
導アーマーが攻撃を繰り返す。地上１０００メートルの高層ビルが建ち並ぶ未来
型都市は壊滅し、他に残ったのは、１万人のアンドロイド兵の残骸と３００匹の
モンスターの死体だった。そして、ゲダロフを含む６人の魔法使い達以外は戦死
した。その生き残った６人の魔法使い達の名は、ゲダロフ、ハーシー、レイラ、
マローニ、ベスター、ノーヴァ。彼らの戦いは空しいものとなっていくが、惑星
パジェットを救うために、そして、魔王オグマを倒すために、空を飛び、陸を制
覇し、海底を潜る壮大な魔大戦を繰り広げ続けようとしている。魔大戦はまだま
だ終わらない・・・